漢方の問診

漢方の問診の内容は本当に色々なことを聞きます。現代医学の問診では「そんなことを聞いても何の情報にもならない」と思われそうなことばかりかもしれません。

 

「胸焼け」が一番の症状だったとします。

すると現代医学では痛みは無いか、苦いものが喉の奥に上がってくるか、痛いとすれば食前か・食後か、嘔気嘔吐は無いか、下痢や便秘は無いか、何を食べたかなどを聞くと思います。中には何も問診しないで、そのまま胃カメラをする先生もいるでしょう。現代の医学では検査が発達して、その結果を重視しているあまり、問診で病気を突き止めようなどとは思っていないからです。

 

これが漢方の先生で、きちんと理論を用いる人ならば、胸焼けだったとしても様々なことを聞くと思います。

嘔気はあるか、こみ上げてくるものは苦いか・苦くないか、みぞおちの辺りがひりひりしないか、食欲の有無、胸の詰まる感じは無いか、ため息は出るか、おなかが張るか、便は出ているか、便の形・色・回数・量はどうか、夜眠れるかどうか、嫌な夢を見ないか、冷え性・熱がり、食事の好み、眩暈や耳鳴り……などなど。これらは本当に「胸焼け」の原因を突き止めるのに大切な質問ばかりです。これらの回答を参考にして「何で胸焼けが起きているのだろう」と考えるわけです。そして、その原因と思われることを目標にして治療すると、自然と胸焼けも治る、と言う塩梅なのです。

 

当然問診だけではわからないこともあるので、脈や舌を診たり、おなかを触ったり、経絡の診察をして情報を得ることで、病気の分析を正確にするわけです。中医学の理論が出来た2500年前には、検査できることと言えば話を聞く、脈を診る、舌、腹を見ることくらいだったのです。

そして、胸焼けの治療をすることで、それ以外にあった症状もなくなってくるわけなので、出来るだけ色々な情報を教えて欲しいなぁと思います。

 

現代医学の先生はあんまりたくさんのことを言われたら困るかもしれません。たくさんのことを行ったら薬が増えるだけかもしれませんね。

漢方の先生には、なるべく多くの情報を教えてください。薬が増えるわけでは有りません。なるべく全部が対応できるように一番言い薬を選ぶヒントにします。

ということは、まず皆さんが自分の体に敏感になって色々な症状(情報)をキャッチしていただく必要がありますね。

 

ご相談ください。