長く飲まないと効かない?

良く漢方薬を処方しますというとこう訊かれますが、そんなことはありません。それには二つのことが言えます。

一つは病気が長く続いているから。もう一つはそれ以外のところで変化が見られるからです。


病気が長く続いていると病気の根も深いです。漢方では体のバランスが崩れるのが病気の原因です。バランスの崩れが短期間であれば崩れも小さいので修正しやすいのですが、長いこと症状を患っているとバランスの崩れが大きくなってしまい、治療に長いことかかってしまう、というのが理由のうちの一つです。

漢方だって早く効くんですよ。昨日寒気が出て後頭部が痛いような風邪を引いたら葛根湯をおすすめしますが、多分1,2日でよくなることでしょう。胸焼けが1週間前から出現している時には多分半夏瀉心湯をお勧めすると思いますが、1週間から10日くらいでよくなります。早く効きますよ!

余計な日数は処方しませんから経済的で、結果的には安くなるでしょう。


それ以外のところの変化も見逃してはいけません。これも効いているかどうかの重要なサインです。

たとえば月経痛が酷くて受診したとします。便秘や冷え性、お肌のぶつぶつ、月経前のイライラ、頭痛などがあったとします。そういうときには加味逍遙散をおすすめすると思いますが、月経は月に1度しかありませんから、漢方薬が効いているのかどうか良く分かりません。でも便秘がよくなったりお肌のぶつぶつが出なくなったりしてくればこっちのものです。そのまま漢方薬を飲んでいけば、月経痛もいつの間にか「あ、そういえば最近楽かも。」となるでしょう。


でも、色々治療をしているうちに1年経ち、2年経ち、長く患ってバランスの崩れがドンドン大きくなってようやく漢方治療に来る。そういう人が沢山いるから結果として長く飲む人が多くなる、ということはありますね。

是非バランスの崩れが小さいうちにいらしてください。