中医学の考えに『体温計』で体温を測るという考えはありませんでしたので、もともと基礎体温というものは存在していませんでした。ただ、自覚症状としての『熱い』とか『寒い』とか、『手足が冷える』とか『のぼせる』という温度に関連する自覚症状はきちんととらえていて、それぞれ分類されていました。
もともと基礎体温という考えがなかったので、『基礎体温を綺麗に戻す』ということを目的とした治療はなかったと思います。
しかしながら、基礎体温がばらばらの人をたくさん集めてきてその中で共通するような症状というのはあると思います。その中でもいくつかパターンがあって、
1)血がもともと少ない人
2)血の流れが良くない人
3)情緒不安定がある人
という風に分けることが多いです。
血、というのは体の中の赤い液体。現代医学的に言えば血液なのですが、中医学的には結構色々な働きをしてもらっていて、血が少ないと髪の毛が細くて切れやすかったり、顔色が異常に白かったり、爪が薄くて剥げやすかったり、夜眠れなかったりそんな症状が出ると考えています。
最近不眠で治療中の人で血が少ない人が多いので、この血を増やす薬を飲んでもらうことが多いです。天王補心丹はとてもいい薬だと思います。心の血を増やしながら安定してもらう薬です。
なので、月経不順で血が少ない人には血を増やす作戦の薬を飲んでもらうことが多いですね。血が少なくて他の症状も出ている事がありますから、そこにプラスして薬も増える事が多いですね。
中医学の場合は単なる造血剤(鉄剤orビタミン剤)ではありません。
逆に、鉄やビタミンは含まれていないにもかかわらず血を増やすというのですから、とても面白い治療法だと思いませんか?