認知症と漢方⑥

認知症はそれぞれの臓器が弱って来て起こる、というお話をしました。その弱ってくる順番が肝、心、脾、肺、腎の順番に起こっているということ、腎は常に消耗しているので年齢ごとに消耗しているということをお話しました。

50代になると肝が弱ってきます。
肝は体の気の巡りを調節するのと、血を貯めておくという重要な働きが有ります。気の巡りが悪くなると理由も無くイライラしたり、落ち込んだりと情緒不安定 になったり、げっぷやおならが多くなったり、胃や腸にガスが溜まるなどの症状が見られたりします。動悸や突然の汗、ほてりなども特徴的です。貯めていた血 が少なくなると、気の巡りの調節が出来にくくなり、夜眠れないとか夢をたくさん見て寝た気がしないなどの症状や、顔色が白いとか唇の色が薄い、髪の毛が細 くて切れやすかったり、爪が薄くてはげやすいなどの症状も見られるようになります。
これらの症状ってよく見るといわゆる「更年期」っていうものに当てはまりませんか?更年期の場合には腎虚も伴っていることが多いですが、肝による症状が表に出てきています。その時から十分にケアしてあげることが、認知症予防の第一歩かもしれません。
女性だけでなくて男性にももちろん出現します。

肝の気が巡ってないなぁと感じたら、香りの良いものを取るようにすると良いでしょう。漢方薬にもなっていますが、シソの葉っぱやミカンの皮、薄荷(ミント)の葉っぱを干してお茶にするのはお勧めです。玫塊花というバラのお茶やジャスミン茶、菊花茶もいいですね。
食材でも、セロリやネギ、大葉、春菊、セリなど香りの良いものがおすすめです。これらだけで食事を作るのはちょっと難しいので、いつもの献立にちょっと添えるといいですね。
血が少ない時は血の気の多いものを足るのが良いでしょう。特にお肉ですが、肝が弱くなっているので肝臓を食べたほうがいいですね。肝臓のフライは食べやすくて美味しいので、私の得意レシピの一つです。
五行説では肝と関係が有る食材として鶏肉、麦、ニラですので、それらを使うのも良いですね。

漢方薬ではそれぞれ専門の薬もありますし、お灸をするツボもあります。それは専門家の私たちにお任せいただいて、先ず自分がどういう状態か気づくこと。そしてご自宅で出来るストレス発散や食事の工夫などをするのが第一歩かもしれませんね。

ご相談ください、お手伝いいたしますよ。