【熊本ボランティア】

10/8~10

熊本の西原村という所に、被災者ボランティアとして参加してきました。日本中医学会が主催する医療相談と鍼灸治療のために行ってきました。
西原村は被害の大きかった益城町の隣にあります。広い土地に仮設住宅がたくさん並んでいました。益城町の中はいまだ崩れた家が放置され、ブルーシートがかかっている家がたくさんありました。

そういった中、体の不調を訴える方も多く、仮設住宅でも十分に休むことも出来ないようです。普段出ない症状がでると、たくさんの方から聞かれました。
3日間でノベ60名ほどの方がご利用くださいました。幸運にも、今すぐ緊急で危ない、という方はいらっしゃいませんでした。若しそうなったら、病院に搬送 しなければなりません。そのあたりの判断は、検査が出来ない所では難しいかもしれませんが、私たち医師が判断をする必要があるわけです。

そうでない場合は、やはり鍼灸治療やお話を聞くなどの対応が非常に必要になってきます。
今回私は、医師としても、鍼灸治療者としても動けることがこんなにも役に立つのか、ということを実感しました。たまたまそういう集団の中にいるからということも有りますが、これからはこの両刀使いが活躍できると確信しました。
いらっしゃった方々はやはりストレスや、怒りや悲しみによる症状が多く見られた印象です。現代医学でこれらが原因で体に異常が出ていると「身体表現性障 害」の範疇に入ってうつ病の薬や精神病の薬で治療を行いますが、実はこれらの治療の本当におおもとのところは「何で効くのか分かっていません」。それはス トレスも、怒りや悲しみも物質的に定義できていないからです。
中医学では気持ちや心の動きが病気に繋がると考えていますし、ストレスや怒りなどは「肝」と関係が有ると定義されています。肝を中心とした治療で眩暈や頭痛、肩こりなどを治めることが出来るのです。
今回の西原村ではやはり、災害によるストレスで症状が出ている方がたくさんいらっしゃいました。治療後には症状が改善する方が多く、沢山の方のお役に立てたかな、と思います。

これらの活動に関して継続的に企画していらっしゃる石川先生、日本中医学会の事務局長の瀬尾先生などなど、大変お世話になりました。
そしてボランティアに行くことを承諾し、留守中に子供の面倒を一人で見てくれた妻には、言葉では表せない感謝の気持ちで一杯です。
今後、また参加させていただき、現地の方のお手伝いになればと思います。

写真はカンファレンスの様子です。